韓国ドラマ 愛を抱きしめたい あらすじ 97話～100話 ネタバレ
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【ネタバレ注意】『愛を抱きしめたい』最終話まで全話あらすじ・見どころを一挙公開！
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【前回のあらすじ】
ソニョンは、決意を固めていた。
――サンホとの離婚。
それはもう、揺るがない。
けれども、一つだけ胸に引っかかることがあった。
それは、アヨンとホヨン――二人の子供たちのことだった。
「お父さんとお母さん、別れることにしたの。」
その言葉をどう伝えるべきか。
何度も何度も頭の中でリハーサルしても、うまく言葉が出てこなかった。
ついにその日が訪れた。
ソニョンは子供たちをリビングに呼び寄せ、
穏やかな笑みを浮かべながらも、少し震える声で話し始めた。
「お父さんとはね……別々の道を歩くことにしたの。」
沈黙が落ちる。
秒針の音だけがやけに大きく響いた。
けれども――。
「お母さん、泣かないで。私たち、ちゃんとわかってるよ。」
「そうだよ。お母さんが笑ってるほうがいい。」
アヨンとホヨンの言葉に、ソニョンの目から涙がこぼれた。
まさか、こんなにも素直に理解してくれるなんて。
「ありがとう……。本当に、ありがとう。」
子供たちの優しさに、ソニョンは胸が締めつけられた。
そして改めて決意する――この子たちの未来のためにも、強く生きていこう、と。
数日後。
ソニョンは気持ちを切り替え、株主たちが待つ済州島へと旅立つ準備を進めていた。
今回の出張は、離婚後の生活を見据えた“大切な一歩”でもあった。
「もう、後ろは振り返らない。」
静かにそう呟き、空港へと向かう。
そのころ、サンホは別の“現実”にいた。
「済州島に出張？……ふん、好都合だな。」
ソニョンの言葉を信じ込み、
心の中で快哉を叫んでいた。
彼女がいない間に、好きなだけダヒと過ごせる――。
その浅ましい笑いは、まるで破滅の序曲のようだった。
そして夜。
二人は車の中で密会した。
笑い声とささやきが交わり、外の雨音がそれを包み込む。
だが、彼らは気づかない。
ダッシュボードの奥で、
“真実を記録する小さな機械”が、静かに光を放っていることを――。
カチリ。
録音開始のわずかな音。
それが、サンホの運命を決定づける“最後の音”となった。
【愛を抱きしめたい-あらすじ-97話～100話】
愛を抱きしめたい あらすじ 97話
ソニョンの仕掛けた罠は、完璧だった。
――その一瞬だけは。
サンホは疑うことなくダヒと密会し、
車内で自ら“不貞の証拠”を差し出してしまった。
録音機には、すべてが刻まれていた。
甘い言葉、裏切りの吐息、そして決定的な告白。
それを聞いた瞬間、ソニョンの全身が凍りついた。
「……本当に、あなたなのね。」
長い時間をかけて追い求めてきた“真実”。
けれども、いざそれが目の前に突きつけられると、
彼女の心は粉々に砕けていった。
「どうして……どうしてこんな形で、確かめることになったの。」
涙は出なかった。
ただ、胸の奥がひどく痛かった。
ずっと、どこかで信じていた。
「もしかしたら、全部誤解かもしれない」――そんな淡い希望を。
それが完全に消えた瞬間、
ソニョンは“真実”よりも“喪失”の重さに押し潰されていった。
夜。
彼女は橋の上に立っていた。
手の中には、あの録音機。
冷たい川面に月が揺れている。
「これを捨ててしまえば……全部、なかったことにできるのかしら。」
指先が震える。
けれど、ぎりぎりのところで踏みとどまった。
“逃げてはいけない。私の人生だから。”
ソニョンは深く息を吐き、
録音機をポケットに戻した。
一方、会社では――。
ダヒが、相変わらずだった。
遅刻、虚言、無礼な態度。
周囲の社員は呆れ果て、空気は冷えきっていた。
そんな中、ソニョンが静かに呼び出した。
「ダヒさん。あなた、このままでは済まないわよ。」
声には怒りよりも、悲しみが滲んでいた。
しかし、ダヒは口を尖らせて笑うだけだった。
「私、そんなに悪いことした？ ちょっと遊んだだけでしょ？」
その一言に、ソニョンの心の糸がプツリと切れた。
「あなたが壊してるのは“人の信頼”よ。それが一番罪深いの。」
だが、言葉は届かない。
反省の色を見せないダヒの目は、どこか虚ろだった。
その頃、ナ会長の執務室では、
秘書がそっと封筒を差し出していた。
「……サンホ専務に関する報告書です。」
会長は黙って封を切り、中を一瞥する。
ページをめくるたびに、表情が硬くなっていった。
「なるほど……そういうことか。」
しばし沈黙ののち、低くつぶやく。
「やはり、このまま放っておくわけにはいかんな。」
ナ会長の指先が、机を軽く叩く。
――その音は、まるで“制裁のカウントダウン”のようだった。
愛を抱きしめたい あらすじ 98話
「離婚するわ。」
その言葉を聞いた瞬間、
サンホの顔から血の気が引いた。
「な、何を言ってるんだソニョン！？ 俺たちは夫婦だろ！」
ソニョンは、静かに彼を見つめ返す。
その瞳には怒りも涙もなかった。
あるのは、ただ“覚悟”だけ。
「もう、あなたに騙されるのは終わりよ。」
サンホは狼狽した。
すぐに取り繕うように、苦しい嘘を並べ立てる。
「不倫なんてしてない！ ダヒにしつこく付きまとわれてただけなんだ！」
「録音？ あれは罠だ！ 編集されてるんだ！」
必死の弁明。
だが、その言葉は空しく部屋の中に消えていく。
ソニョンの表情は一切変わらなかった。
「……あなたが何を言おうと、もう戻れないの。」
その冷静な声に、サンホの心が砕けた。
同じ頃、ナ会長は病室のベッドに横たわっていた。
体調の悪化を誰にも知らせず、ひっそりと入院していたのだ。
「会社には、知られたくない……。」
しかし、その沈黙が思わぬ影響を及ぼす。
経営の要を失ったパパ製菓では、
自然とミンスの責任が増していった。
若き後継者として、彼は重圧と闘いながら
一歩ずつ会社を支え続けていた。
一方そのころ、サンホはすでに理性を失っていた。
ソニョンが家を出て以降、彼の怒りは行き場をなくし、
最も近くにいた“ウニ”へと向かっていった。
夜、ミンスの家を訪れたサンホは、
玄関を開けるなり怒鳴り声を上げた。
「お前らのせいだ！ ウニ、お前が俺を陥れたんだろ！」
ウニは驚き、後ずさる。
しかしサンホは興奮のあまり、彼女の腕を掴んで押し倒そうとした。
「やめてください！ 離して！」
もみ合いの中、
部屋のドアが開き――そこに立っていたのはソニョンだった。
「……もう、終わりね。」
その一言に、サンホの動きが止まる。
彼女の目には、かつての愛も哀れみもなかった。
ただ、冷たい現実だけが映っていた。
崩壊は、静かに完了した。
翌朝。
ソニョンの手には離婚届があった。
ミンスは疲れ切った表情でパパ製菓の資料をめくり、
これからの会社の未来を思い悩んでいた。
「誰かが守らなければ……。」
一方でサンホは、すべてを失いながらも、
まだ現実を受け入れられずにいた。
「俺が悪い？ 俺が間違ってたっていうのか……？」
その問いに答える者は、もう誰もいなかった。
愛を抱きしめたい あらすじ 99話
パパ製菓の社内に、奇妙な空気が流れ始めていた。
――幹部たちの目が、少しずつミンスから離れていく。
その中心にいたのは、サンホだった。
表向きは柔らかな笑みを浮かべながら、裏では密かに手を回していた。
会食、金の流れ、甘い約束――。
幹部社員たちの心を巧みに絡め取り、支持を得ていたのだ。
「まさか……ここまで動かされているとは。」
ミンスは机に拳を置いたまま、言葉を失っていた。
冷静さを保とうとしても、胸の奥に焦りが広がっていく。
サンホがこのまま会社を掌握すれば、すべてが終わる――そう直感していた。
けれども、彼には強力な味方がいた。
ウニ、そしてソニョン。
ふたりとも、すでにサンホの危険性を察していた。
「彼を放っておいたら、パパ製菓は壊される。」
その思いは、三人の間で共通していた。
静かな同盟が、密かに結ばれていたのだった。
一方そのころ――。
ソニョンは、リビングのテーブル越しにサンホを見つめていた。
その眼差しは、もはや“妻”のものではない。
「離婚しましょう。」
一言、静かに告げる。
サンホは椅子から立ち上がり、声を荒げた。
「ふざけるな！ 俺は絶対に離婚なんかしない！」
拳を握りしめ、怒鳴りつけるように言い放つ彼。
だが、その目には焦りと恐怖が滲んでいた。
ソニョンは怯まず、静かに続けた。
「それなら……せめて別居を。
あなたと同じ空気を吸うのも、もう耐えられないの。」
一瞬、空気が凍った。
だがサンホは、狂気のような笑みを浮かべる。
「いいだろう。別居でも何でも勝手にしろ。
だがな、俺の許可なしに動いたら――どうなるかわかってるよな？」
脅しの言葉。
それは、ソニョンの背筋を冷たく這い上がった。
けれども、彼女の瞳は揺れなかった。
「あなたの脅しには、もう怯えないわ。」
その言葉に、サンホの笑みが一瞬だけ止まる。
だが、彼は反省するどころか、
ますます開き直っていった。
会社の裏で不正を続け、
ダヒとの関係もやめようとしない。
夜の街で、人目を避けながら密会を重ねるふたり。
まるで破滅へ向かうことに酔っているかのようだった。
すでに証拠を掴まれているというのに――。
サンホは、もはや自分がどこまで堕ちているのかさえ分からなくなっていた。
「行き着くところまで行けば、何かが変わる気がするんだ……」
その呟きは、誰にも届かない。
彼の背中は、確実に“終わり”へと向かっていた。
愛を抱きしめたい あらすじ 100話
サンホとソニョン――。
長い間、家族の形を保ってきた二人が、ついに別居することになった。
その知らせを聞いた瞬間、アヨンとホヨンは顔を見合わせ、
しばらく言葉を失っていた。
「……別々に暮らすって、ほんとなの？」
ソニョンは頷いた。
「少しの間だけよ。お互いに冷静になるために。」
声は穏やかだったが、その奥には決意が滲んでいた。
出ていくのは、サンホのほうだった。
リビングの床にスーツケースを広げ、
無言のまま荷物を詰めていくその姿を、
アヨンとホヨンはドアの隙間からじっと見つめていた。
「パパ……どこに行くの？」
小さな声に、サンホは一瞬だけ手を止めた。
けれども振り返ることはしなかった。
「すぐ戻るさ。ちょっと仕事が忙しくなっただけだ。」
その声は震えていた。
彼自身、家を出ることが“敗北”のように感じられていたのだ。
すべてを失っても、プライドだけは守りたかった。
――けれど、それももう意味をなさなかった。
玄関のドアが閉まる音。
それは、この家から父親の温もりが消える音だった。
アヨンは無言で涙をこぼし、ホヨンは拳を握りしめた。
「パパのこと、好きだったのに……どうしてこんなことに。」
二人の胸には、愛と失望が入り混じっていた。
父を憎みきれず、それでも許せない――
そんな複雑な感情が、静かに渦を巻いていた。
一方で、ソニョンは深く息をついた。
リビングに残された空気が、妙に軽く、そして寒かった。
“これでよかったのよ”と自分に言い聞かせながらも、
胸の奥には、消せない痛みが残っていた。
彼女はカーテンの隙間から外を見た。
夕暮れの道を歩いていくサンホの背中――
どこか、かつて愛した夫の面影がまだそこにあった。
「さよなら、サンホ。」
小さく呟いた声は、誰にも届かない。
その頃、ミンスは社内で一人、資料を見つめていた。
パパ製菓の将来、経営の不安、そしてナ会長の不在。
そこへウニが静かに入ってくる。
「ミンスさん……実は、会長を病院で見かけたの。」
その言葉に、ミンスの手が止まった。
「……まさか、入院しているのか？」
ウニは小さく頷いた。
「誰にも知らせずに、ひとりで。」
その瞬間、ミンスの胸に嫌な予感が走る。
社の混乱、幹部の動揺、そしてサンホの暗躍――。
それらが一本の糸で繋がり始めた気がした。
「もう時間がないかもしれない……。」
窓の外を見つめるミンスの表情は、
未来の重さを背負った男のものになっていた。
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